今回の完走記念メダル。このメダルがもらえる大会は限られているので、このために頑張って完走した。これを見るたびに今回の過酷なブルベを思いだせそう。
一般的に400kmブルベは200kmや300km、600kmと比べても難しい気がする。自転車で200km走るだけでも大変と言えば大変だけど、それをクリアすればあとはコツというかノウハウで300km、400km、600kmは走れる気がする。ただ400kmはその中で一番休憩するタイミングや時間が難しい。制限時間の長い600kmなら何時間か寝る時間を確保できるけど400kmだと休憩して寝てしまうと完走が難しい。かといって寝ないと眠い。眠さとの戦いでもある。長距離は若くて、鍛えていて、体力やスピードのある人には簡単かもしれないけれど、限られた体力の人がいかに工夫して完走するかが試されるところが面白い。なので純粋なアスリートぽい人は少なく、普通のおじさん、文化系クラブっぽい青年が多い。あとヒルクライムやシクロクロスではあまり見かけない太った人もけっこういる。それがけっこう速かったりする。
眠さとの戦いと言えばカフェインで、ブルベ前は10日ほどコーヒーを我慢してカフェイン断ちする。そうすると眠くなってきた時にコーヒーを飲むと目が覚める。眠い時のカフェインは一気に覚醒する。眠さがなくなるだけではなく、脳が冴え渡り、万能にいろいろなことが解決できそうな気がするほど。ただその状態は長くは続かず、また数時間すると眠くなってくる。そしてコーヒーを飲んでもだんだん効かなくなってくる。そういう時は私はカフェイン入りの飴を食べている。舐めるんじゃなくガリガリ噛み潰して食べる。これが私に合ってるのか、たいていの場合眠さから復活できる。
味もコーヒー味で好み。
緑茶が眠気に効く人もいるけど私の場合疲れた状態で緑茶を飲むと気持ち悪くなって、モンスターエナジーやレッドブルも味が濃くて気持ち悪くて、後半はほとんど水だけ飲んでた。
ずっと晴天!
景色がいいんだけど、それもすぐ当たり前に(^。^)
海でじゃぶじゃぶ遊ぶ余裕なし。
着替えを持ってないのもあるし、残り何百キロも走る必要があったので。
前半はまだ写真撮る余裕があったけど後半はその余裕も無し。24時間ただ自転車を漕いでるだけで音楽も聞かず。なんかいろいろ考えてたことあったはずなんだけど、全部忘れた。
今回一人で参加していたのでいろいろ知らない人とも話をした。最初のうちは集団で走ることもあるが、半日も過ぎると、一人で走ることが多くなる。とは言ってもチェックポイントや船着場などでは何人かと会うので、無言でいるのも気が悪いし、挨拶をして、ひとりごとのように話したり話しかけられたりする。なんでそんなに詳しいんだおじさんがいて、しまなみってコンビニ少ないですねーって言うと、〇〇島のどこそこにヤマザキショップがありますとか、今からの坂の斜度はどれくらいで例えるとXX坂くらいですとか、特に聞かない情報まで教えてくれる。あまりに詳しいので不思議に思っていたらしまなみの島の中に住んでいる人だった。そういう人も参加するんだと驚いた。あと日が暮れてからチェックポイントが見つからず、コースを行ったり来たりしていると一緒に考えてくれたり、ガーミンのナビがうまく使えず迷っている人を案内したりもした。ただ各自走力が違うのでずっと一緒に走ると気を使ったり、頑張りすぎて疲れるので大抵はその部分部分で話をしてすぐ別れて走る。その方が気楽だから。
コースの難易度は最初と最後の四国部分は簡単。しまなみの島々は複雑。
このブルベ自体よくできたコースだと思う。暑さもあり今までで一番厳しいブルベだったけど、春や秋なら気持ちよく走れそう。たまたまかもしれないけど体力のある前半部分は厳しく、疲れてくる後半は易しかった。
しまなみ海道は通常150kmくらいで往復できるところを今回はいろいろな島の外周をくるくる回って、しまなみ往復だけで約300km。四国部分は100km。ゴール手前の最後の峠が大きく感じるけど実際はどーんと登って後はゴールまでずっと下りだったのでどっちかというと楽で気持ちいい。逆にしまなみの島の外周は8%前後のアップダウンが小刻みに続き、道も悪く、めちゃくちゃしんどい。さらに天気が良過ぎて熱中症気味、脚もピクピク痙攣する。前半がんばり過ぎた人は大変だったと思う。
ガーミンの記録の最高気温49℃はおおげさだけど、アスファルトの上で信号待ちとかしてたら死にそうに暑い。ともかくひたすら自販機で買った水を飲んだり、浴びたりしてた。
ガーミンのデータ。スタートしてすぐとゴール手前、めちゃくちゃとばしている。最初は元気だし最後は出し惜しみする必要が無いので。
今回ガーミンに対する慣れや設定もすごく重要だった。私もガーミンを見ているのに真夜中何度も道を間違えた。明るいうちは道路の案内の看板も見えるが夜になると島は真っ暗になるので看板をつい見落としてしまう。そうなるとガーミンのナビが頼りだけど、今回のルートはガーミン泣かせ。同じ橋や道を往路と復路で使いながらぐるぐると島を回るのでガーミンが往路か復路か迷ってピーピー鳴り続ける。少し道を外れるとガーミンが違うルートを探し始めるのだが、その間画面が停止し、どこにいるのかわからなくなる。ブルベというよりラリーをしている感じだった。
あと今回チェックポイントがすごく多い。
フォトチェックポイントが11、PCが2。
チェックポイントを見逃すと完走にならないので油断できない。うっかり通過すると戻る必要がある。特に夜、ライトも進行方向しか照らさないので左右も気を配る必要がある。
フォトチェックの写真も撮影したらすぐ整理しておかないとあとでわからなくなる。
あと島の中、夜中は猪が多い。細い道で群れに遭遇したり、大きなオスに遭遇したり、恐ろしすぎた。
次に難しかったのが渡し船。コース中に4回も船に乗る必要があった。船での移動の距離は走行距離から除外されているが、船を待つ時間や乗船時間も時計は止まらず制限時間に影響する。
最初からいきなり船が出たばっかりだった。これでまるまる20分待ち。
船の中では小休憩。この隙に携帯やガーミンの充電状態をチェックしたり、LINEしたり。
ブルベの題名にもなっている歌の港の渡し船は港に船がいなければブザーを押して船を呼ぶスタイル。
船が沖で停泊していることもあるし、向こう岸にいることもある。
呼んで戻ってきたらうれしい。
尾道は短い時間で通過しただけ。
尾道ラーメンとかお好み焼きを食べたい気持ちはあったけど、チェックポイントを回ったり、船に乗ったりで時間に余裕がなかったので今回はパス。
港から見えるあの山の上にレッドブルライドを観にきたなーとか、一人感慨にふけってた。
尾道の折り返しでまだ残り230km。半分以上ある。
ただ結果的に往路に比べてアップダウンが減ったのと日が暮れて少しは楽になったかな。
暗くて道間違えは多くなったけど。
ひたすら自転車漕いで四国に戻って、道後温泉で夜明け。
温泉に入ってみたい気持ちはなくなっていて、それより早く家に帰りたかった。いやもしここでゴールなら温泉入ってたのに。残念。
ここからは残り70kmくらいかな。もうトラブルさえなければ時間的にも体力的にも完走できる。
本館の工事中の囲い。
皇室専用の湯殿など見てみたかったけど我慢。
次は気楽に観光で来る。
道後温泉のシンボリックな本館。
もっと温泉街ってごちゃごちゃしたいかがわしいイメージを持ってたけどスッキリしてキレイだった。
道後温泉から大きな峠を越えると、もう東予までは下り基調。最後までなぜか脚は元気だった。
ただ内臓の調子がイマイチで後半あまり食べられなくなった。
公式には24時間17分。
ゴールのコンビニのレジがすごく混んでて待たされてドキドキした。レジの打刻印が正式なゴールタイムなのだ。ま、完走できたので大したことないけど。
ゴールして、帰るために駅へ。
駅までの途中1パンク。
帰りは京都まで電車。
船か新幹線か迷ったけど普通電車で。
けっこう時間かかるけど、船を使うよりは速い。
あと青春18きっぷだったのでだいぶ安いかな。
帰宅してご飯食べてビール飲んでそれから体重計に乗ったら行く前より2.5kg痩せてたのでブルベすごい。