朝焼けの中で

ぶらいあんの自転車日誌

CANYON カーボンフルサスバイクインプレッション

キャニオンジャパンさんからカテゴリーの違う最新フルサスマウンテンバイクを3台借りることができたので、その走りの違い、快適性などをインプレッション。

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うちの前にて。左STRIVE、右SPECTRAL。

今回は下の3台。

STRIVE CF 5.0

NEURON CF 8.0

SPECTRAL CF 9.0 PRO

現在私が普段乗ってるマウンテンバイクもキャニオン製で、アルミハードテール。グランドキャニオンSLXのSサイズ。

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ホイールサイズ27.5のマビックXAエリート、34mmX110mmストロークのFOXのフォーク、ロックショックスのドロッパーシートポスト、スラムXOコンポ搭載。XCレース用というよりは里山を楽しく走るトレイル仕様。価格のわりについてるパーツがいいのはキャニオンならでは。フレームは硬すぎず、車体重量が11kgとけっこう軽い(10kg以下だとかなり軽いんだけど)。

これが今回のインプレッションの基準となっている。


STRIVE CF 5.0 ¥339,000

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マウンテンバイクのカテゴリー定義は難しいけれど、DHモデルが一番激しい路面を下れて、XCモデルが一番よく登る。ただしこれはあくまで機材の性能であって、実際走って速いのは乗り手によるところが多い。

下りが得意な順からDH(ダウンヒル)>ED(エンデューロ)>AM(オールマウンテン)>XC(クロカン)。車重はDHが重く、XCが軽い。

STRIVEはED。15.6kg。ダウンヒルバイク並みに下れて、そこそこ登る。登りを捨ててない下り系バイク。フレームはカーボンで軽い。ヘッド角度をスイッチで簡単に変更できる。コースに上りが多ければヘッド角を立てたり、前後のサスをロックアウトすること可能。

まず一番の驚きは価格。一昔前なら100万くらいのスペックだ。カーボンフレームのフルサスで完成車である。試乗車は下位グレードながらサスペンションは前後共FOX、コンポはスラムでこのまま乗って不満はない。

タイヤはSTRIVEシリーズ全てのMAXXIS MINION DHR II 2.4。80万の完成車でも、50万の完成車でも同じタイヤがついている。グレードが変わっても走りの大事な部分はケチらずいいものを使うのはキャニオンらしい。このタイヤに適したフィールドがそのままSTRIVEに適したフィールドだと言える。他のキャニオンの完成車もついてるタイヤをみると、適した遊び方がわかる。

次にデザインがすごくいい。フレームのヘッド部分からリアエンドまで、トップチューブからシートステーがすーっと一直線につながっていて、非常に美しく、コンパクトに見える。カッコ良さも買う時の重要なファクターだ。

いざ乗ってみると林道の登りも、シングルトラックの登り返しもよく登る。脚さえあればXCバイク同様たいていのところを乗っていける。ただし脚があれば。。。。タイヤがそこそこ重いのでコギは重い。長くて急な登りが続くと押したくなる。特に一緒に走る仲間が軽いバイクだとかなり厳しい。バイク選びの鉄則、仲間のバイクとスペックが違わないほうがいい。他人より車体が重いと上りで着いて行くがキツく、サスペンションやタイヤが貧弱だと下りが怖い。

STRIVEの得意分野は高速な下り。20cmくらいのギャップは気にしないで下っていける。普段ハードテールに乗っているので下りは別次元の快適さ。バイク任せで速度が上がる。なのでもしコケた時のダメージはかなり大きくなることが予想される。自制心が必要だ。ただ車重があるのと29インチということもあり、速度が乗らないコースだと欲求不満気味である。狭い京都の里山を走るのには少し持て余してしまった。

 

NEURON CF 8.0  ¥309,000

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XCカーボンフルサスバイク。これも値段で驚く。フレームだけではなくて完成車の値段である。

13.2kg。少し重いので純粋なレース用というよりはトレイルバイクかな。私の乗っているバイクとフレームサイズもホイールサイズも同じなのでハンドルの角度とブレーキを自分好みにセッティングしたら、ほとんど違和感なくすぐポジションが出た。すごくいい。フルサスなので抜重をあまり意識しなくてグイグイ登る。リアのサスペンションが動きすぎるようだと、ロックもできるし、少しだけ動くようにもできる。舗装路の長い登りがあるならロックしたらいいし、未舗装の上りが中心なら少しだけ動くようにすればいい。股の間にサスペンションがあるので乗ったまま変更できる。

数日お借りしていろいろなコースを走ってみたが、本当に不満がない。自分だったら朝のちょっとした里山サイクリングでもXCレースでも王滝のようなロングライドのイベントでもこれ一台でいい。特に表彰とか狙わなければこれで十分だ。ただ表彰を狙うならそのイベントに適した高級なホイールが欲しくなるが。。。。

あとこれもデザインがいい。往年の名車AMPやターナーのクロカンモデルを彷彿させる。リアのサスペンションの付き方は本当にカッコいい。これもよく見るとリンクが隠れていて、サスペンションの動きは最新で、リアタイヤは自然に垂直方向に動く。

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最新のリンクシステム。

もう試乗してコレ貰いたいくらい気に入った。少し難があるとすれば太い丸太を越える時など自転車を持ち上げるような状況かな。前後バランスよく持ちあげる部分にリアのサスペンションがあるので少し持ちにくい。

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私は身長177cmだから買うとすればMサイズ。Mサイズだと標準は29インチのホイールが付く。林道ロングライドなどは29のままで、追加に27.5のホイールを買い足して、セミファットタイヤを履けば下りが楽しいバイクになりそう。

 

SPECTRAL CF 9.0 PRO  SALE価格¥414.000

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現在セール中。

AM(オールマウンテン)バイク。13.1kg。

NEURONのオールラウンドな性能にSTRIVEのエンデューロ性能を融合したバイク(キャニオンサイトより)。NEURONがすごくよかったので、自分にはNEURONが最も適したバイクだと思って乗ってみたら、SPECTRALすごくいい。軽快に登るし、下り性能はNEURONよりいい。ストロークが深いのに、走りに重さを感じない。これはよく考えるとグレードの違いが大きい。価格で100000円以上も差があるのである。NEURONより前後共ストローク量が多いバイクなのに重量がこちらの方が軽いのだ。

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ハンドルも標準でレンサル。グレードが高い。

SPECTRALに付いてるホイールはMAVIC XA PRO。ホイールだけで145000円。これが走りの軽さに繋がっている。STRIVEに対してはSTRIVEが29なのに対してSPECTRALは27.5ということで取り回しやすいように思う。高速域での安定性は29の方が優れているけれど、ストップアンドゴーが多い狭い里山では27.5の方が重心も低く扱いやすい。

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最初NEURONがいいと思ったけど、どちらか1台もらえるならSPECTRALの方がいいと思った。グレードがいいということも大きいけれど、ハードテールを所有しているので、もう1台だとこれくらいストロークがあるサスペンションのバイクに乗ってみたい。1台だけならNEURONかな。

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このSPECTRALは色もカッコいい。

 

整備などアフターサービスを考えてキャニオンを選択肢から外す人がいるのはよくわかる。サスペンションや油圧ブレーキなど個人でメンテナンスするのは難しいところがいくつかあるし、リアメカやエンドを破損して取り寄せるのも良くあることだ。そこの不安をうまく取り除ければキャニオンはおすすめ。通販専業メーカーということもありパーツの選択も価格も非常に良心的だから。

 


次は機会があれば今回乗れなかった軽量XCバイクLUXとエクシードも乗ってみたい。

 

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ぶらいあん

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